和楽器の余興 音響の大切さ
会場はただの会議室、天井には蛍光灯のみでマイク類は一切ない。こういった会場で和楽器演奏をする際、部屋があまり大きくなければ問題ないケースもありますが、折角演出として和楽器奏者が演奏するので少しでもお客様が満足できる演出にするために照明や音響の提案をすることがあります。
特に重要なのが音響機器です。
お客様が耳を澄ましても聞こえづらい音量で演奏せざるをえない環境になることも充分ありえます。
例えば上記の会議室での演奏の場合でも、さほど大きくない会場でもお客様が50名を超えた場合は生音での演奏に無理が生じてきます。
また、30名くらいのお客様でもガヤガヤしているシチュエーションで演奏する場合は、和楽器の演奏を楽しみたいと思っている人に充分な音量が届きません。
なのでこうした場合は音響機器の導入を提案します。
楽器の前にマイクをたてて、ミキサーで音を整えて、リバーブで空間を演出して(カラオケでいうエコーのようなもの)、お客様にとって丁度いい音量をスピーカーから鳴らすといった作業を行います。
提案するとき、音通堂から道具とオペレーターを一式持ち込む場合もありますし、お客様で機材を調達して頂いてもいいですし、簡易的なものが会場にあればそれを使えるかどうか検討する場合もあります。このあたりは案件によってベストな方策を考えます。
音通堂の音響機材とオペレートは300名規模くらいまで対応していて持ち込みとオペレートで7万円から案内していますが、必ずしも音通堂の音響サービスを利用しなくても大丈夫です。
機材を無料で調達できるのであればそれを使ったほうが安く済みますし、我々も無駄に予算を使わせるような提案はしません。
ただ事前に理解してほしいのは、音響によって楽器の聞こえ方がガラリと変わること、お客様の満足度に直結するということです。
よく学校の芸術鑑賞会のお問い合わせを頂戴したとき、簡易的なワイヤレスマイクがあるからそれを使ってくれと案内されることがありますが、ワイヤレスマイクは音響特性がスピーチに特化しているので楽器には使えませんし、体育館で演奏する場合は会場が広いのでしっかりと音楽用のスピーカーを使う必要があります。
こういうときは事前に音響機器導入の提案をしますが、学校公演の場合は音響機器を無料で調達できる手段を持っているところもあったりするので、そういったことをヒアリングした上でベストな方法を探します。
楽器の特性を自然な状態で大きくするのが音響(PA)の大事な役割です。
お問い合わせを頂いた際は音響のことについて説明させて頂くことも多いですが、なるべくわかりやすく説明しますのでわからないことは何でも聞いてくださいね。