東京の太鼓プロ奏者の現状
東京では古くから「助六太鼓」の名で親しまれている和太鼓ですが、全国津々浦々にそれぞれの太鼓文化を持ち、どの土地の演奏を見てもとても素晴らしいのですよね。和太鼓プロ奏者はそれぞれの土地のルーツをそれぞれが持っていて、演奏者の打ち方の違いを見るのもとても楽しいものです。今日は東京の和太鼓奏者のプロについてお話してみようと思います。
太鼓プロ奏者の種類は大きく分けて2種類
主にチームに所属して演奏するタイプの奏者、個人名義でユニットを組んで活動する奏者の2パターンがあります。
チームの場合はそのプロチームに所属した時またはそこで本格的な活動を開始したとき、個人名義の場合は「今から僕はプロだ!」と宣言した瞬間、太鼓打ちはプロ奏者になります。
それぞれにメリットとデメリットがあるのでそれを紹介します。
チーム所属で活躍する太鼓奏者の演奏活動
チームに所属している、もしくはチームとして活動しているプロ和太鼓奏者は基本的に公演活動や教育活動を軸にしながら客演活動(イベント、お祭り等)をしています。
もちろんそれぞれのチームによって事情は異なると思いますが、運営陣が活動の方針を決定しメンバーがそれに従う傾向にありますので、原則としてチームで動きます。
大きなチームになると活動の種類や属性別にメンバーが配置されたり、運営や財務、広報などを兼務することもあるようです。
チームとして活動することのメリットは運営母体の基盤を整えやすいこと、ある程度安定した需要があることなどが挙げられると思いますが、あくまでチームとして行動するため演奏者個人の名前が浸透しにくいといったデメリットがあります。
個人名義で活躍する太鼓奏者の演奏活動
一方、個人名義で活動しているプロ太鼓奏者の場合、客演活動を軸にしている人が多いです。音通堂のプロ奏者たちがこれに当てはまります。他の個人名義で活動している奏者とユニットを組んだり、自分の名義で生徒さんを集めて教室を開いたりしています。
自分の腕ひとつで商売をするわけですから、非常に柔軟性があるところが最大のメリットです。
客演の案件によって自由に人数を調整したり、他の楽器とコラボしたり、自分自身の叩き方を追求して「自分流」を創設できたりと、その全てが自由です。
しかしこのスタイルは一般的なミュージシャン、タレントなどと同じで個人事業主ですから、収入が安定したりどこかの団体が守ってくれることはありません。楽器の管理も移動の手段も全て自分自身で完結させる必要があります。
演奏人口はダントツトップ!
他の伝統楽器に比べるまでもなく、和太鼓を演奏する人は全国にたくさんいます。
これはあくまで僕個人のフェルミ推定ですが、プロアマ問わず太鼓の演奏に日常的に関わっている人は100万人を超えていると思います。
箏の10万人に対してこれは凄い数字ですね!
ちなみに日本で一番人気の楽器はギターで、その人口は650万人程度だそうです(ヤマハ調べ、インターネットより)。
太鼓のプロ奏者は少ない
演奏人口に対して和太鼓プロ奏者に限定するとその数は一気に減ります。
恐らく日本全国でプロ太鼓奏者というのは1,000人に満たないのではないでしょうか(個人的推計です。間違ってたら訂正します)。
仮に1,000人だとして演奏人口の0.1%、ギターのプロは確実に1.5万人以上いるでしょうから割合でいうとその半分程度です。
プロが少ない原因は色々あると思いますが、特に個人名義のプロは太鼓を買い揃えたりそれを収納するスペースや移動手段を確保するのにかなりの初期投資を必要とするので、そのハードルを超えるのが厳しいというのがひとつあると思います。
太鼓業界は成長余地にあふれている!
国内海外問わずニーズは確実に増えていくと僕は思っていますので個人名義の太鼓奏者は忙しくなっていくと思います。
チームの活動も東京においては有利だと思います。
楽器のプロ奏者(とくに和楽器プロ奏者)はゆるやかに増減するもののいきなり増えたりはしないので、今後も和太鼓プロ奏者の人手不足は続くでしょう。
AIや機械に取って代わられる心配もありません。これからは体験や遊びにお金と時間が集中する時代です(ホリエモン節)。
音通堂のお仕事でもここ数年ずっと太鼓の需要は一定して増えており、若手奏者の発掘と育成に力を入れていかなければいけないという危機感、そして将来への希望は日々募っています。しかし、、、
太鼓演奏NGの会場が増えすぎ!
せっかく太鼓の演奏を見たいのにホテルの宴会担当者がNGを出してきた!といった話は最近本当に多いんです。
たしかに和太鼓は相当大きな音と振動がありますから屋内でやる場合は周りへの配慮が必要だというのはよくわかります。
しかし、最近はどこもかしこも「太鼓無理!」状態です。
これは太鼓奏者のみならず、太鼓演奏を楽しみにしている国内外のお客様への機会損失だと思います。どうにかしたいのですが、ホテルや宴会場のみなさん、どうにかなりませんかね?
まとめ
東京圏の和太鼓奏者の現状をまとめてみました。
最近は外国人のお客様に和太鼓を体験して頂くコーナーが音通堂ではとても人気です。
外国人の招待パーティーを考えてる方へ、余興のひとつの提案として考えてもらえたら嬉しいです!
和太鼓演奏家ページはこちらから
余興 生演奏 ジャンル別傾向をまとめてみた
音通堂は和楽器の出張演奏をしている会社ですので「和楽器」とか「太鼓」とかのワードで検索すると検索結果で上位に入るのですが、最近はこれらの単語を抜いた「余興」とか「生演奏」というワードでもだいぶ上位に食い込むようになってきました。
さらに「音通堂Youtubeチャンネル」はまもなくチャンネル登録者数が1500名を突破します。
元々はユーザーを楽しませるとか、和楽器を世界に広めるとかそういった目的ではなくクライアントへの資料提出用として撮り溜めていたものを公開する意図があってのことで、未だに広告はつけてないのですが、単に和楽器の音色を楽しむために毎回見て下さるユーザーの方も増え、これはこれでとてもありがたいことであります。
というわけで最近イベントやパーティーなどで生演奏をしているうちにクライアントの業種やジャンルによって「刺さる」演出が見えてきたのでそれを紹介しようと思います!
音通堂チャンネルは下記のバナーからどうぞ。
海外インセンティブ系の傾向
簡単に言えば海外からの社員旅行のようなもので、仕事で優秀な成績を収めた方を引き連れて日本に滞在する際にパーティーや懇親会を行うというスタイルです。音通堂はここに和楽器演奏でお呼び頂く事がとっても多いです。
主にグローバル企業の日本法人の担当者、もしくは日本の旅行会社のアテンドの方が音通堂の直属のクライアントです。
海外から旅行目的で来られるので、ホールにはもちろん殆どが外国人です。
人数は100名前後であることが多く、少ないときは10名前後、多いときは1000名を超える団体さんもいます。
彼ら(というより彼らをアテンドするクライアント)は、日本らしさを体感したい、させたいと強く考えています。
海外インセンティブ系のお客様への演奏や演出は小細工一切ナシのしっかりとした和楽器演奏が一番「刺さり」ます。
そして素晴らしい演奏をするためには研ぎ澄まされた演奏者の「腕」がなによりも重要!
音通堂の精鋭達が存分に活躍できるステージでもあるのです。
国際学術会議系の傾向
お医者さんの集まりだったり、研究者の発表会を大きな国際展示場(東京ビッグサイトや幕張メッセなど)で行う場合に余興やアトラクションを入れるケースです。
上に書いた海外インセンティブと似ていますが、こちらは日本人の割合が一定数あり、彼ら日本人が海外からのお客様をおもてなしするといった構造があります。
よって私達のクライアントはアトラクションの幹事さんやイベント制作会社の方、病院や研究所の職員と打ち合わせをすることが多いです。
大きな国際展示場でパフォーマンスをするケースと、近くのホテルでアットホームに懇親会をするケースと分かれますが、基本的な需要は海外インセンティブ系と同じで「海外から来た方に日本らしさをアピールする」のが目的であることが多いです。
会場が広くなりがちなため、大人数(4〜8名)で演奏する編成や、音響や照明を豪華にしてステージに高級感を演出することを提案します。お客様は多国籍である場合が殆どですが、どの国の方もめちゃくちゃ知的好奇心が高いので、和楽器演奏には食い入るように楽しんで頂けます。
VIPおもてなし系の傾向
政府筋、財界、富裕層のプライベートなど、VIP系の日本滞在に際して演奏を依頼されるケースです。
音通堂の強みはここにあります!
演奏者の服装、礼儀、立ち振舞など演奏に直接関係ないところでも、場所が場所であれば目につくこともあります。
超がつく高級ホテル、料亭、会員制クラブ、大使館などにスウェットで赴く人は普通いませんよね?
音通堂の演奏者たちはしっかりとしたマナーでVIPに最高の時間を過ごしてもらえるように訓練されています。
VIP系の集まりで演奏する場合、お客様の数はさほど多くありません。少なければ1ファミリーくらい、多くても50名程度ですので、演奏者の人数も2名程度にしてゆっくりと楽しんで頂きます。
他ジャンルでももちろんそうですが、VIP系は特に「どれだけ先回りできるか」がポイントです。
クライアントに指示された楽器を支持された時間行えばいいのではなく、大幅な演奏開始時間変更に対応できるように準備したり、曲数がいきなり増えても対応できるようにしたり、事前に会場の下見に行って動線をチェックしたりと、演奏に必要な下準備を確実に行い何が起こっても想定出来る状況にしておきます。
国内企業周年記念系の傾向
企業の周年記念のイベントは、国内企業の場合はお客様の殆どが日本人です。
○○周年を記念して、その会社が取引先や国会議員の方を招いて懇談するというのが主旨です。
私達は周年記念行事を任された社員の方を直接のクライアントとし、様々な提案を行います。
社内の方が社外の方を招くイベントですので、最終的なお客様は社外取引先の方や議員などの来賓の方となります。
ここがとても重要です。
周年記念ではこれまで様々な提案をしてきてどれも千差万別ですので傾向を述べるのも難しいのですが、共通項があるとすれば「いつもと違う」がほしい!という方が多いことです。
普段新年会やキックオフなどでホテルの宴会場を使って行うパーティーとは一線を画する、まさに会社のイメージ作りそのものを周年記念で行いたいと気合の入った会社が多いです。そりゃ10年とかに1回の大きいイベントですから、鼻息も荒くなります。
その鼻息、もらった!!!
ステージや会場の雰囲気作り、大掛かりな演出等は音通堂の得意分野です。
打ち合わせに行くスタッフが全ての知識を網羅しているので話が早いです。最低限の人数、コストで最大限の効果を産める派手でかっこいい演出を、そしてホスト企業のイメージアップを最大化できる仕組みを作っていきます。
行政イベント系の傾向
音通堂は東京にありますが、東京の行政主催のイベントにもある程度の共通した傾向があります。
一言で言えば、「老若男女を相手とせよ!」ということに尽きます。
外国人であれ日本人であれ子供であれ老人であれ、みんなが楽しめる和気あいあいとしたステージを行政は望みます。
もちろん全部がそうではないですが、税金を使ってイベントを組むので皆が楽しくないと駄目ですよね。
でも「皆が楽しめる」って、とっても難易度が高い要求なのです。
こんなとき、音通堂は「しゃべりの上手い演奏者」をアサインします。
お客様と会話をするように演奏会やイベントに臨みます。
よく「演歌をカバーしてほしい」「アニメの曲をやってほしい」という依頼もありますが、楽器の特性を殺すのであくまで「箸休め」の枠で演奏します。演歌やアニメよりも、和楽器の本質に触れてもらい、伝統音楽の楽しさを笑いを交えながら体験してもらったほうが絶対に思い出に残ります。
まとめ
このように、一口にイベントやパーティーといってもお客様の属性によって規模も目的も違うわけですね。
我々は生演奏によってお客様を楽しませるために存在しているので、どんな場所に行ってもお客様を満足させなければいけません。
音通堂は今月から8期目に突入し、ひとつの目標である10期が見えてきました。
こうして日々積み上げて来た経験を皆さんのお役に立てるようにアウトプットしていきます!
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株式会社音通堂
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